ANAの株価は今が買い時?2022年7月現在

こんにちは、jazz335です。ANAの株価はバブル期の1989年12月をピークに20年以上安値圏にありました。このブログは買い時を探るためにチャート分析をまじえて解説していきます。

みなさんご存知の通り、2020年1月のコロナショックでは世界的に株価が暴落しました。それでも多くの企業は短期的な下落にとどまり、反発後に過去最高値を更新する企業も数多くありました。

その中で取り残されたのが旅行業界です。これほど長期間に渡って人の移動が制限されるというのは第二次世界大戦以来のことだそうで、特に航空業界は大きな打撃を受けました。膨大な設備投資が必要な装置産業であるが故に事態は深刻です。

長期チャートで見る現在の株価

まずはANAの過去60年間の長期チャートを見てみましょう。

バブル期のピークでもある1989年に21039円の高値をつけた後急落し、2000年に入ってからは1000円台後半から5000円台を行ったりきたりするボックス相場となっています。

このチャートを見る限りでは、2012年の1540円をボトムにして、コロナショックの2020年の2060円で三番底をつけているように見えます。飛行機を飛ばせないという厳しい状況ですが、2003年の1900円を割り込んでいないのがポイントとなります。

月足チャートの分析

それでは直近の月足チャートを見てみましょう。

ANAの月足チャート(一目均衡表)

過去10年間の月足チャートを一目均衡表で表示しています。これを見る限り、コロナショック後の安値2060円をボトムにして底値圏でもみ合いが続いています。長期的に上昇トレンドに入るためには、目先にある厚い雲を株価が上抜けして、遅行線がローソク足よりも上にある状態になるのが前提となります。

つまり、コロナショック前に株を買って含み損を抱えたまま保有している投資家の売り圧力に打ち勝つだけの買い材料が必要になってきます。

一方で2060円の底値がボトムとなっており、これを割り込まない限りはこの付近で買いが入る状態になっているといえます。

強い買い材料のファーストステップとしては、国内線の運行状況がコロナ前に戻る見通しがたった時でしょうか?

そして国際的に人の移動制限が解かれ、海外への渡航が自由にできる、つまり国際線の運行状況の改善が見込まれることがセカンドステップとなるのではないでしょうか。

日足チャートの分析

最後に直近の日足チャートを見てみます。最新の日足チャート分析は記事の一番最後に掲載していますのでスクロールしてご覧ください。

2021年12月16日の分析

2012年11月8日につけた高値2918円のあと、相場は一気に急落します。ANAが転換社債を発行することを発表し、将来の1株利益の希薄化が懸念されたこと、オミクロン株という新型コロナウィルスの変異型が確認されて世界的に航空株が売られたことなどが要因と言われています。

ただし、コロナショック安値の2060円を更新することなく、一旦V字底を形成して反発します。

その後いったん反落しますが、浅めの二番底をつけた後、3連続陽線で12月16日の取引を終えました。

株価が底値をつけて上昇した後に、今回のような深い価格修正が起こることはよくあることです。投資家がまだ株価の下落を心配している状態でネガティブなニュースが発生すると、コロナショック後の安値を更新してしまうのではないか?と不安になり損切りや利益確定の動きが連鎖したのではないでしょうか?

これに対して、底値で買い逃した投資家がいます。彼らは今回のような急落、つまり絶好の買い場を待ち受けているのです。

そうした市場の心理が浅めの2番底に反映しているのではないでしょうか?つまり、2175円から反発後に株価が下落に転じても慌てて売る投資家が少ない、言い換えると強気の投資家がホールドしているため二番底が深くならず、逆にさらに買い増すことで3連続陽線となったのではないでしょうか?

この記事は2021年12月16日19:51分に作成していますが、以上の分析が後々から振り返ってどうだったのか?は改めて追記していきたいと思います。

2022年3月4日の分析

2022年3月4日は朝から日経平均が急落し、前日比591円安となりました。ロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクが主な要因と言われています。

ANAの株価もつられて下げ、一時2374円の安値をつけました。かなりの安値水準まで下がったこともあり、このあたりで底入れではないかと考えます(まだ下げる余地はありますが)。

日足のトレンドラインを引いてみましたが、仮にこれが有効だとすればもう少し下げた後上昇トレンドに入るのではないかとみています。

目先の目標としては、2021年11月8日につけた高値2918円。2022年4月中旬頃にはこれを更新するのではないでしょうか?

この記事は2022年3月4日16:10分に作成していますが、以上の分析が後々から振り返ってどうだったのか?は改めて追記していきたいと思います。

2022年3月19日追記

上記の記事を書いてから、いったん2150円まで急落した後反発しV字底を形成中。どうやら底入れしたようです。

来月あらためてその後の検証をしていきます。

2022年7月3日の分析

これまで3月8日の2150円で底打ちしていたと考えていましたが、これが裏目に出るシナリオを考えてみました。

まずは日足のチャートをご覧ください。

これは3/8安値を割り込む下落を予想したシナリオです。下値は2109円付近を想定しています。
1〜5の順番で進む波動は、エリオット波動のエンディングダイアゴナルと言われる推進波をイメージしています。

それでは1〜5波で想定される大口投資家の思惑と個人投資家の心理を見ていきましょう。

1 三角持ち合いの下限で反発すると見せかけて、より強くこのラインを意識させる。

三角持ち合いはトラップを仕掛けやすいトレンドであり、投資家が混乱し振り回されやすいチャートパターンとも言えます。

2 戻り売りに押されて反落

株価は一旦上昇しますが、ここで戻り売りに押されます。この付近の株価で買って含み損を抱えた投資家が待ち構えてるからです。ちょうど雲の上限を抜けられずに反落することを想定しています。

3 三角保ち合いを下抜けして売りを誘う

いよいよ三角保ち合いを下抜けします。ブレイクしたことでトレンドが発生したと思わせて売りを誘います。ただ2150円が底と信じている投資家はまだこの時点では手放しません。

4 三角保ち合いの中に戻り底を打ったと思わせる

トレンドラインを下にブレイクし売りを誘ったところで反転上昇する、いわゆるBear Trap(弱気の罠)です。売り急いだ!と後悔した投資家が慌てて買い戻します。新規の買いも入るかもしれません。2150円を底と考える投資家はまだ静観しています。

5 最後の仕上げ。3/8安値2150円を割り込むまで急落させ、投げ売りを誘う

大口投資家としては、とにかく株を手放して欲しいわけです。ですから2150円を割る下落はとても効果的です。売り浴びせることで、2150円を底と信じていた個人投資家は流石にギブアップします。

大半の投資家が株を手放したことろで、大口投資家は買い集めを始めます。いわゆる「玉集め」と言われる動きです。

相場の格言に、「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」というものがあります。 これは米著名投資家ジョン・テンプルトンの言葉です。

つまり、個人投資家が悲観して手放したANAの株は大口投資家によって急速に買い戻され、強気相場が生まれると考えました。

来月あらためてこのシナリオの検証をしていきます。

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