農林中金おおぶねはつみたてNISAの対象銘柄?

こんにちは、jazz335です。

投信ブロガーが選ぶ!Fund the Year 2020で10位にランクインした、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねがにわかに脚光を浴びています。

つみたてNISAの非課税口座で運用できるかも気になるところです。そこで、今回はファンドの特徴や気になる組入銘柄について調べてみました。

ファンドの特徴

米国の上場株式を対象として、付加価値の高い産業、圧倒的な競争優位性、長期的な潮流の3つの基準を満たす企業に投資を行います。

騰落率を日本株、先進国株、新興国株のベンチマークと比較すると、過去5年でマイナスへの下振れが最も少ないのも特徴の一つです。

2017年7月に設定された、比較的新しいファンドです。

上位組入銘柄

それでは、おおぶねの投資対象についてみていきましょう。

組入業種は資本財、生活必需品、情報技術が上位で、企業別ではウォルト・ディズニー(エンターテインメント)、テキサス・インスツルメンツ(半導体の開発・製造)、ベクトン・ディッキンソン(医療機器)といった企業が上位となっています。

ナイキ、マコーミック、コストコなど日本でもお馴染みの企業も入っています。

マイクロソフト、アップル、アマゾンを上位銘柄に組み入れている米国株S&P500とは対象的ですね。

<おおぶね上位組入銘柄>2021年1月末現在

銘柄名事業内容組入比率(%)
ウォルト・ディズニー・カンパニーエンターテインメント8.1
テキサス・インスツルメンツ半導体の開発・製造6.5
ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー医療機器6.3
ビザインククラスAシェアーズ決済サービス6.2
チャーチ&ドワイト家庭用品メーカー4.7
NIKEスポーツシューズ、ウェアなどの製造・販売4.5
マコーミックスパイス、調味料の製造・販売4.5
コストコ・ホールセール会員制倉庫型店4.5
コルゲート・パーモリーブ石鹸、洗剤、ペットフードなど開発・製造・販売4.5
クロロックス生活必需品4.4
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねマンスリーレポートより

つみたてNISAで運用できるか?

対象銘柄の基準

おおぶねは、米国のS&P500といったベンチマーク以上のリターンを目指すアクティブファンドです。

つみたてNISAでは、アクティブファンドの対象銘柄に次のような基準を設けています。

・純資産額50億円以上

・信託開始以降5年以上経過

・販売手数料無料(ノーロード)

・信託期間中の2/3以上で資金流入超

・信託報酬は国内型で年率1.0%以下、国際型で1.5%以下(いずれも税抜)

気になるおおぶねの手数料は?

上記の基準の中でポイントとなるのが、販売手数料と信託報酬です。

おおぶねの手数料は以下の通りです。

・販売手数料 2.2%(税抜)

・信託報酬 年0.99%

金融庁はつみたてNISAで扱うアクティブファンドに対して厳しい基準を設けており、販売手数料が有料の銘柄を認めていません。

これに対しておおぶねは2.2%。

ですから、今後の大幅な基準変更がない限りはおおぶねがつみたてNISAの対象となることは難しそうです。

つみたてNISAで運用できるアクティブファンド一覧

つみたてNISAで運用できるアクティブファンドは以下の通りです。

<アクティブファンド一覧表>2020年12月23日時点

国内/海外ファンド名運用会社
国内型コモンズ30ファンドコモンズ投信
大和住銀DC国内株式ファンド三井住友DSアセットマネジメント
年金積立 Jグロース日興アセットマネジメント
ニッセイ日本株ファンドニッセイアセットマネジメント
ひふみ投信レオス・キャピタルワークス
ひふみプラスレオス・キャピタルワークス
結い 2101鎌倉投信
海外型EXE-i グローバル中小型株式ファンドSBIアセットマネジメント
セゾン資産形成の達人ファンドセゾン投信
フィデリティ・欧州株・ファンドフィデリティ投信
eMAXIS NYダウインデックス三菱UFJ国際投信
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドセゾン投信
ハッピーエイジング20SOMPOアセットマネジメント
ハッピーエイジング30SOMPOアセットマネジメント
ハッピーエイジング40SOMPOアセットマネジメント
世界経済インデックスファンド三井住友トラスト・アセットマネジメント
フィデリティ・米国優良株・ファンドフィデリティ投信
のむラップ・ファンド(積極型)野村アセットマネジメント
ブラックロック・インデックス投資戦略ファンドブラックロック・ジャパン
金融庁:つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)より

このうち、投資対象が米国株式のファンドは、eMAXIS NYダウインデックス、フィデリティ・米国優良株・ファンドがあります。参考までに組入上位銘柄を見てみましょう。

<eMAXIS NYダウインデックス上位組入銘柄>2020年7月31日現在

銘柄名事業内容組入比率(%)
アップルiPhoneほかデジタル製品の開発・販売9.7
ユナイテッドヘルス・グループマネージド・ケアの提供7.7
ホーム・デポ住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーン6.7
マイクロソフトWindowsほかソフトウェアの開発・販売5.2
ゴールドマン・サックス金融系企業グループ5.0
マクドナルドファストフードチェーン4.9
ビザインククラスAシェアーズ決済サービス4.9
ボーイング航空宇宙機器開発・製造4.1
3M化学・電気素材メーカー3.8
ジョンソン・エンド・ジョンソン製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品3.7

<フィデリティ・米国優良株・ファンド上位組入銘柄>2020年12月30日現在

銘柄名事業内容組入比率(%)
マイクロソフトWindowsほかソフトウェアの開発・販売6.5
アップルiPhoneほかデジタル製品の開発・販売5.6
アマゾン・ドット・コム電子商取引、クラウドコンピューティング4.2
アルファベットGoogle Inc.の持株会社3.5
ジョンソン・エンド・ジョンソン製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品2.3
フェイスブックSNSほか2.3
ビザ情報技術2.0
エヌビディア半導体メーカ1.9
ダナハー・コーポレーションライフサイエンス・医療診断機器・歯科医療機器1.9
JPモルガン・チェース銀行持株会社1.6

いずれもアップル、マイクロソフトなどの大型株が上位に入っており、同じ米国株式でも「おおぶね」とは違ったコンセプトでつくられています。

ただ、両者とも販売手数料が無料ということもあり、おおぶねよりも低コストで運用できる商品となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?おおぶねは厳選された米国株へ投資を行う魅力的なファンドですが、残念ながらつみたてNISAの対象外となっています。

金融庁は制度の設計にあたって、低コストで、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適したファンドに限定しています。

このあたりは議論が分かれる部分でもありますが、投資初心者でも安心して利用できる制度という観点でみると、銘柄の選定が難しいアクティブファンドのラインナップが少ないのはいたし方ないことかもしれません。

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