つみたてNISAを活用するには、長期間にわたって積立を続けることで元本割れのリスクが低くなり、複利効果による資産形成が期待できます。
しかしながら、結婚・出産・教育などのライフイベントにより、まとまったお金が必要となる場面も起こりえます。
こうした場合に途中解約できるか?は気になるところです。
また、新しい投資信託に商品変更(銘柄変更)したい場合の方法についても説明します。
金額変更や途中解約はできるか?
年の途中で積立金額を変更できる
つみたてNISAの購入方法は積立に限定されていますが、毎月の積立額を途中で変更することはできます。
例えば、独身の頃は積立額を毎月3万円に設定していたけれど、結婚して子供ができたので生活費がかかるようになった。
いつでも自由に解約(売却)できる
また、急にお金が必要になった場合は、いつでも投資信託を解約して現金にかえることができます。
積み立てしてきた投資信託をすべて解約せずに、一部だけ解約することもできます。
ただし、解約(売却)手続きをしても即日で換金することができないので注意が必要です。
投資信託の解約から入金までの日数は、投資信託の種類によって異なります。
通常は15時で締め切られ、国内資産に投資する投資信託の場合は4営業日、外国資産は5営業日、新興国資産の場合は6~8営業日かかります。
これについては、投資信託の請求目論見書に記載されている換金(解約)手続等の欄で確認することができます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は原則60歳まで解約することができないため、目的が老後資金に限定されます。
これに対して、つみたてNISAの場合は必ずしも20年間保有し続ける必要はありません。そのため、教育資金や住宅購入といったライフイベントに備えた資金作りにも活用できます。
含み損が出たら解約したほうがいい?
さて、今までは急な出費やライフイベントの変化によりつみたてNISAを解約するケースについて説明してきました。
もうひとつ解約する要因となるのが、市場の暴落により大きな含み損で出た場合です。
株式の取引では、こういった場合は通常「損切り」といっていったん損失を確定するのがセオリーです。
これは「安く買って高く売る」という目的で取引をしているためです。
これに対してつみたてNISAは、毎月定額で買い続ける積立投資という方式をとっているため、事情が異なります。
過去の株式相場の推移を見ても、いったん暴落した相場は何年かかけてやがて回復します。
その間、損切をせずに積立投資を続けることで、相場の上昇局面で再び含み益に転ずる場面が出てきます。
ですから、つみたてNISAの場合は含み損が出て解約(損切り)してしまうと、長期的な資産形成への道が絶たれてしまうことになるので注意が必要です。
解約手数料はいくらかかるか?
投資信託には解約する場合に費用がかかるものと、そうでないものがあります。
これは交付目論見書の最後の方のページにあるファンドの費用欄の「信託財産留保額」に記載されています。
つみたてNISA対象商品のほとんどがかかりませんが、一部例外のものもあります。
たとえば、セゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」では基準価額の0.1%が解約代金から差し引かれます。
ただし、この信託財産留保額は解約手数料という意味合いではなく、解約によって他の投資家が不利益をこうむらないように信託財産に組み入れられます。
解約時の価格や税金は?
解約するときの価格は、解約請求受付日の基準価額が適用されます。
基準価額は、銀行や証券会社のホームページに記載されている「ファンド詳細情報」から確認することができます。
保有している投資信託の時価評価額に対して、金額を指定して解約することもできますし、口数の指定も可能です。
また、つみたてNISA口座は売却時の利益に対して税金がかかりません。
ですから、保有している投資信託をすべて売却する場合も、つみたてNISA口座は解約せずに残しておく必要があります。
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商品変更で途中解約した場合の非課税枠はどうなるか?
途中解約した場合は、その年の非課税枠を再び利用することはできません。
例えば、積立している商品を変更したい場合、解約したお金で別の投資信託を非課税枠で購入するといった預け替え(スイッチング)はできません。
商品を変更する場合は、解約したお金を使って課税口座(特定口座・一般口座)で購入するか、現在の投資信託の積立をやめて翌月以降に別の投資信託の積立設定をすることになります。
お金が必要になって一部解約した場合は、残りの投資信託は最長20年間非課税で運用されます。
しかしながら、いざというときに引き出すことができることは、