銀行に預けている預金は、仮に口座をもつ金融機関が破綻しても1,000万円まで保証されます。
これがペイオフ(預金者に対して、預金保険機構が直接保険金を支払う制度)です。
これに対して、積立NISAでは長期間に渡って投資信託を積み立てしながら、金融機関に大事な資産を預けることになります。
それでは積立NISA口座で運用している投資信託の場合、口座がある銀行や証券会社が倒産したら自分の資産はどうなるのでしょうか?
投資信託を扱うのは3つの会社
投資信託は元本が保障されない金融商品です。
ここでいう「元本が保証されない」という意味は、価格変動リスクがあるため相場の変動により元本(購入した価格)割れする可能性があるということです。
それでは、銀行預金のようにペイオフのような救済措置はあるのでしょうか?
これを説明する上で、まずは投資信託を扱う会社の関係を見ていきましょう。
投資信託には販売会社、運用会社、受託会社の3つの会社が関係します。
販売会社とは、投資信託を販売する窓口となる会社です。証券会社、銀行、保険会社がこれにあたります。
野村證券や三菱UFJ銀行のように実店舗がある販売会社もあれば、SBI証券やソニー銀行のようにネットで事業展開する販売会社もあります。
運用会社とは、投資信託の商品を作っている会社です。三菱UFJ国際投信株式会社や野村アセットマネジメント株式会社といった会社があります。
運用会社にはファンドマネージャーが所属し、どのような銘柄を組み入れ、投資家に提供するリターンを決める役割を持ちます。
受託会社とは、投資信託の資産を預かって管理する会社です。通常信託銀行がこれにあたり、運用会社の指示で銘柄の売買を行います。
ではこれらの3つの会社が仮に破綻した場合、投資家の資産はどうなるのでしょうか?
銀行や証券会社が破綻した場合
販売会社が破綻した場合、つまりつみたてNISAの口座がある銀行や証券会社が倒産した場合は、実際のお金は受託会社が管理しているため、別の販売会社に引き継がれます。
ですから、投資家は引き続き運用を任せることができます。
運用会社が破綻した場合
次に運用会社が破綻した場合はどうでしょう?運用会社は受託会社に対して、銘柄の売買などの指示を出しているだけなので、仮に破綻しても資産は他の運用会社に引き継がれるか、繰上償還といって投資家に対して現金で清算されることになります。
受託会社が破綻した場合
そうなると、実際に資産を管理している受託会社が破綻した場合はどうなるのでしょうか?
けれど心配は要りません。信託財産は信託銀行自身の財産とは区分して管理(分別管理)することが法律で義務づけられています。
ですから、仮に破綻しても、そのときの基準価額で解約されるか、別の受託会社に移管されることになります。
つまり、つみたてNISAの口座で運用している投資信託は、取り扱い会社が破綻しても法律上守られる仕組みになっているということです。
投資信託を銀行と証券会社のどちらで買うか?と悩んでいる方は、下記の記事を参照願います。